ごった

色々書きます

  十二国記の「ついに!きた!」な新刊『白銀の墟 玄の月』の1・2巻を読んだ。まとまってはいないけど、今の想像は来月の新刊が出るまでのものだから、適当に書いておく。

 

白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)
 

 

白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)

白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)

 

 



  泰麒はどうしたのだろうか。泰麒の思考が全く描かれないのでいろいろ難しい。果たして今の泰麒はどのくらい麒麟なのだろうか。つまりどの程度天の意を汲む器なのか。

 麒麟の性は仁となっているけれど、今回の泰麒は人命に関して非道なことをそのまま受け入れる場面があった。民を思っての無慈悲さは麒麟的ではあるけれど、小より大を取る発言は王のものであって、それを取りなすのが麒麟の仕事の様な気がする。もしかして泰麒が王になったりしてね。この無慈悲さや物思いにふけってる感じからなんとなく、泰麒は失道しているのかなとチラと思う。だけど「一命を擲つという覚悟は嘘か」と問うた後に泰麒は膝をついている。だから多分本性に悖ることを演じているせいで元気が無いのだろう。いや元気に満ちている方がおかしいね。

 天意を汲む器である麒麟が王を選ぶわけだけど、その天が疑わしい。さらに泰麒には角が無い。だから読んでいて怖いのが、体面が整ってしまえば、天は本当に阿選を王にするのではないかということ。泰麒の行動が天の意思に基づくものか、策略なのかは分からない。だけど麒麟が王を選ぶことが条理であるために、天が空位を正すのに乗ってくるような気がしてならない。泰麒の行動が裏目に出なければいいなと思う。言いたいことはただ一つ、阿選に叩頭礼をすることが可能ではありませんように!

 

 驍宗さまは崩じたか否か、というのが当たり前だけど一番気になる。3・4巻のあらすじを読むと死んだ可能性が高いのかなあと思ったり、でも「華胥の夢」をみると禅譲でも白雉は鳴くようだから、生きてるのかなあと思ったり。白雉が落ちていたらさすがにあの白圭宮でも騒ぎになるはず。

 驍宗さまは果たして文州にいるのかどうか。琅燦の言い方だと阿選は居場所を知っているように思える。誰も近寄れない六寝にいるんじゃないかな。

 訳が分からなさすぎて、文州の反乱は阿選の謀反じゃ無くて、結果を急いだ驍宗さまの自作自演なんじゃないか、とさえ思う。花影が李斎に冬狩の続きではないか、と言っていたし。だとしたら失道してもおかしくない。いやでもこれは違うね。驍宗に非がないから、玉座にいなくとも天命はこれまであった訳だから。だけど泰麒はずっと蓬莱にいたから、麒麟が先に死なず失道しても生き続けていたのかもしれない。

 回生のところにいた武将が驍宗だとしたら、嫌だなあ。だって泰麒とも李斎とも再会してないんだよ、そんなことってあるか!「驍宗様こそ、泰麒が玉座に据えた王。だから――。」「驍宗は王だからこそ戴国を守りたい。民が幸福に暮らす国となるように」って帯で煽っといてそりゃないよ!この台詞言って無いじゃありゃせんか。でも驍宗だとしたら、主上だと思っている人々に毒を入れられたわけだから、民に不要と思われた王ということで死んでしまいそう。ということを確認しなくても墓という結果があるね。「せめて台輔を」が台輔を残して禅譲します、という意味だったらどうしよう。でも天命が改まるのに時間がかかるとはいえ、白雉が鳴くのが遅すぎる気がする。しかしあの武将は驍宗じゃないとしたら誰なんだろうね。

 次の二冊が阿選と泰麒の新王朝物語だったらあまりにしんどい。でも阿選も結構いい人だよね。笑うし。驍宗様だってただの傑物じゃなくて、臣下を置いてけぼりにするところがあるね。阿選の名誉回復と驍宗様の帰還ということで展開してくれないかな。

 

 初雪が遅いのが悪いことで無く瑞兆ならいいけれどね。

 李斎は驍宗と泰麒のことになると血の気が多い。思っていたより武闘派の将軍であっって、おそらく知将ではない気がする。蓬山で出会ったころの李斎の印象とちがう。

 妖魔をあまり見かけないのが奇妙に思える。山の底で眠っている妖魔と他に数匹しかいなかった。国土も人心も荒廃しているのに妖魔による被害が少ないのは何故だろう。 

 

 もはや何を信じたらいいのか分からない!!

 

追記のメモ

 「乗月」を読み直してみて、阿選が驍宗を討つ理由は果たして何なのだろうという疑問がますます大きくなった。驍宗様は登極してまだ日が浅くて、峯王のように民に圧政を敷いたわけではない。阿選派閥は阿選の方が王にふさわしいと思っていたようだけど、失道した王を討つのでさえ躊躇する人々が多い。なのに王朝が始まったばかりで謀反とはねえ。理由は失政ではないだろうし、見える阿選の性格からして私怨も考えづらい。その上玉座に居なくて引きこもっているところがますますよく分からない。よく言われる天のシステムへの反抗なのかな。

 ここまで他国の面子が出ていない。だけど例えば、三巻冒頭で白雉末声を聞く景主従、という風に登場したら嫌だな……。

 驍宗様が居なくなったら泰麒を字で呼ぶ方が居なくなるじゃあないですか!それでは泰麒の孤独はますます深まってしまう。泰麒ってなんか蓬莱でも疎まれていたし、仮に本当に阿選が王にでもなったら、天命だから仕方ないのに、泰麒は恨まれてしまいそうだ。

 玄の月ということは新月なのかな。ということは月という明かりのない王朝な訳だよね。正当な王朝を太陽、仮朝を月に例えていたよね。仮朝であってもほのかに照らすと言っていた。じゃあ新月は?王はいないが仮朝でもない今の戴の政を言っているのだろうけど。これから月の満ちていく兆し?玄は泰麒を指すのだと思っていたけど、阿選のことだったのかな。

 白銀は驍宗さまのことなのかな。それに廃墟の墟、土偏にウツロですよ虚ろ。荒れている、傷ついている驍宗さまとその国土ってこと?それに月。うーんなんか李白の静夜思みたい?f:id:hanashimako:20191022124003j:image

と思ったけど敗戦や国土疲弊の歌じゃないし、山と月と季節というポイントしか合ってない。でも望郷の思いは戴の皆さん持ってるよね。(10.22)

 

 この巻じゃないけど、 廉麟の麒麟は「王のものなんだもの……」って台詞が胸にくるなあ。あれいいシーンだよね。麒麟の慈悲の心とともに、王の側に居たいという麒麟の思いが表れている。だから6年も王と離れている泰麒がね、不安に見える方法だけど驍宗のために行動している(と思われる)のがね、上手く行けばいいなあと思うね。廉麟と泰麒の再会シーンとかもう一度無いかな。

 

 「落照の獄」では国の法を官が曲げる判断をした。今回の戴では結局どうなるのだろう。天はある。だけど天の摂理を天は曲げるだろうか?一国のために介入するかな?  (10.27)

 新刊が出てからなんとなく阿選を好きになってきていて困る。李斎に申し訳ない。(10.27)

 

 阿選は革命に至ることの出来ない謀反をしているように思える。どう収まるんだろう。

 今の戴はなんとなく天の玉京の状態に似ているような気がする。いや根拠なしなんだけど。(11.4)

 

 泰麒失道のような気がしてきた。いや麒麟じゃないのにそれは有り得るのか?玉座に王が長くいない、血の穢れでも麒麟は病む、謀をする麒麟はいない、次王を選定するには泰麒か驍宗の亡くなるのが一番早い方法……(多分)。天が泰麒を失道させれば、天の理は整うのでは?まさかそんな、泰麒も驍宗も崩御する幕引きだったら嫌だよ!(11.6)

 道観と冬官の縁が深いということは、琅燦と道観の情報のやり取りがあるのかな。琅燦に動きは筒抜けなのかな。でも表向きには壊滅してるんだから無いかな。(11.6)

 

 今更だけど雲海の上に妖魔は出ないのか。そうなのか。戴は非常事態宣言ものだわ。(11.7)

 天綱は王を縛っているけど、民を縛ってはいない。多分民間人が他国の王を弑することは出来るんだろうな。まあその民間人は戸籍がないからその他国の王にはなれないけれども。祥瓊のあたりに書いてあったかな?忘れてるからなあ。……全く次巻に関係のない想像だな。(11.7)