ごった

色々書きます

のろのろ読んでいる。

潤一郎訳 源氏物語 (巻1) (中公文庫)

潤一郎訳 源氏物語 (巻1) (中公文庫)

  • 作者:紫式部
  • 発売日: 1991/07/10
  • メディア: 文庫
今更だけど帚木・空蝉って蜻蛉日記がモチーフなのかな、と気づいた。帚木は遠くから見えても近づいたら姿の分からなくなる木のことらしい。かげろふやんか。それに頑なで素直になれないという点で空蝉と道綱母が重なる。それに時おり訪れたり文をやったりしてあれやこれやと言葉を重ねる光と兼家も似ている。
だとすると、源氏は両者の視点を拾い男性目線を創作し、男目線から道綱母を救っているのかな。あの日記には摂関家との結婚は物語のようではなかったとある。それに雨夜の品定めや、方違えの時しか訪問しないけど空蝉のことを頻繁に思っているなどなど。でも男目線といっても式部の手によるものだし、空蝉はあまり美人ではない(道綱母は才色兼備のはず)。日記を踏まえてか絵空事でなくなかなか現実的な目線で展開しているような気がする。