ごった

色々書きます

  読み終わった。

 

  結び自体は納得できたけどあまりに早い展開に複雑な気持ちを抱えている。

 解放王アルスラーンとは何ぞや。アルスラーンの治世が奴隷制度の廃止や血統に依らない王朝の嚆矢になったんだろうけど......。その解放の定着は数年どころか数十年を要すると思うのに、諸国揃って空位時代突入とはね。この呼称は希少で偉大な事績ゆえと思っていたけどあまりいい意味合いではないような気もする。

 シリーズ中盤あたりから二つのことが気になっていた。それはナルサスがいなくなった場合と敵が魔物であること。その両方が最終巻に現れた。だけど見事にナルサスの弟子であるアルスラーンエラムの二人は成長していたのであった!よかったよかった。......とはいえナルサス喪失の重みをそう感じない最終戦だったような気もする。イルテリシュと蛇王の軍の統率はなぜかそこまで組織だっていなかったし、ヒルメス含め敵は王都に集結してくれるし。ナルサスの知略があれば何が変わったんだろうな。白兵戦になる時点でダメなんだろうけど、魔物相手じゃ柑橘を塗った物理で殴るしか方法がない気がする。まあいない人の頭は分からないし、矢継ぎ早に多くの死があって悲しみが麻痺してしまったせいもあるのかな。ギーヴが三本の矢でミスルを撤退させたせいもあるかも。

 蛇王の正体は死だとか闇だとかの概念だと思っていたから驚いた。人間の暗部の権化の饒舌な語りはちょっと拍子抜けというかしらけるというか。

 

 なんだかモヤモヤばかり書いたけど、シリーズを通して本当に楽しめた。一晩一冊のペースで読んでいたもの。戦闘シーンに今まで憧れはなかったけど、読み始めてからどうやったらあのかっこよさを書けるんだろうと想像するようになった。

 あとギーヴメルレインキシュワードのような、本来臣下じゃない人間との間に生まれる主従関係が好きなんだなと確認できた。どうでもいい報告だ~。