文章を書かなくてはいかんと思うのは、私の内側が貧しいと分かる時より顕著なのだけど、自分が貧しいということは、書くべき内容を持ち合わせていないのである!

 

祖父の手術から3日後のメモ

 術後初めての面会。

 祖父の頭は髪がまだらに生えた坊主になっていて、テープが付いていた。祖父は車椅子に座り、多く繋がった点滴や心電図の管を外そうと試みていた。

 顔は腫れて目は赤く、声は小さく掠れて熱もあった。でも元気らしく、ちゃんと食べてリハビリしてトイレへ行ったらしい。

 

 冗談なのか、ぼんやりしているのか、なんで明瞭じゃないのか私にはよく分からなかった。起きているのに違っていた。祖父は私と妹のことを一体誰の子かと尋ねた。これを聞いて私は妹と一緒に挨拶をせずに病室を出てしまった。

 

 

……術後1日目から祖母と母は面会に行っていた。私が会いに行ったこの日は比べるとだいぶマシな状態になってきていたらしい。でも私は見ていられなかった。

 手帳によれば、この日の夜にテレビ放送の「塔の上のラプンツェル」を見ている。しかも塩野七生さんの「ルネサンスとは何であったのか」も読み終わってる。なんだそりゃ!元気じゃん!