ごった

色々書きます

 『ベルリンは晴れているか』を読み終わった。軽い感想をあげておく。
 

 読んでて強く思ったのは、ワイマルやらナチの時代を調べてそれを一つの世界にまとめた筆力すごいなってこと。時々、絶対この資料読んだでしょ〜と思って参考文献を見たら挙げてあってニヤッとした。天沢聖司か。

 読み手のその時代への印象と三人称の語りと一人称の語りではそれぞれ世界への見方が違う。だからそこを注意して読むのも面白かった。

 みんなのなかにポムゼルがいるね、という。知らなかった、仕方なかったと言って、不都合を見ないことができる。

 登場人物たちの多くはマイノリティというか非アーリア的なんだな。大尉の出てきた時が一番ハラハラして面白さがあった。

 解放的な終わりだった。すこし『私を離さないで』の終わりの印象と重なった。でも印象とは裏腹に(?)このシーンの後に物語は始まることになるんだなあ。