ごった

色々書きます

宇治を読むにはやっぱり光を押さえる必要があると気づいた私は谷崎の新々訳と呼ばれる三回目の翻訳の源氏物語を借りてきた。全一冊版(と言うのだとおもう)だからすごく分厚い。

潤一郎訳 源氏物語 (巻1) (中公文庫)

潤一郎訳 源氏物語 (巻1) (中公文庫)

  • 作者:紫式部
  • 発売日: 1991/07/10
  • メディア: 文庫
本当は与謝野版も読みたかったんだけど、以前目を通したときどうしても候文に違和感があった。だからこの谷崎版の方が敬語の不自然さを感じなくてずっと読みやすい。これはまあ生まれのせいなので仕方ないね。
しかし谷崎版はさすがと言うかすごいなあ。原文の通りに主語が出来る限り廃されているのに、自然と筋を理解できるように書かれている。それに何より奥ゆかしいのがいい。源氏物語の雰囲気がするじゃあありませんか。かなり明晰なアーサーウェイリー版の翻訳版なども分かりやすくて面白いけどね。